芸能人の元カレ「K」〜決戦の日③〜
みなさまこんにちは。優です。
そろそろ単発ネタを挟みたいのですが、
多分この日の出来事は完結させたほうがいいと思うので、
今日も前回の続きです♪
「俺さ・・・この業界に入って・・・人が信じられなくなったんだ。恋愛をしても相手の女の子は俺の彼女だってことを周りにバラしたがったり、俺は相手を信じていたかったのにことごとく裏切られた。」
私は黙って聞いていた。
「優は今みたいなとき、俺がバレないようにすぐ行動してくれるでしょ?そういうところも大好きなんだ。元カノとかはいろんな人に俺をバラそうとしてた。そういうところも嫌でずっと別れたかったけど、別れるならバラすって言われて・・・優もわかってると思うけど、俺のファンってほぼ女の子だからそういうスキャンダルは絶対あっちゃいけないんだ。」
「ここに来るまで努力もしたし、演技もダンスのレッスンも欠かさず行って・・・他の俳優たちが合コンしている間も俺は頑張って仕事のために努力してきた。芸能界ってすぐに飽きられちゃうから、一瞬気を抜いたらもう終わりってなっちゃうんだよ。」
たしかに、ものすごく映画とかドラマに出てた人も2~3年経っちゃえばそんなに見なくなる。
しかもスキャンダルとか出たらもう致命的。そういう世界にKは身を置いていたんだ。
私がもしKの立場だったらどうするだろう。
今回のKのやり方は、毒を以て毒を制する。そんなやり方だった。
私と違っていろんな人に面が割れてるKは、弁護士とかに頼むよりも自分自身でなんとかする方法をとったのだろう。
そのやり方は分からなくもないけど・・・
と考えたところでKが手を握ってきた。
「俺はもう優が居なくちゃダメなんだ。本当にもう死のうとまで考えた。ねぇ、一度だけチャンスをください。次に優を傷つけたらその場で捨ててくれて構わないから。」
『捨ててくれて構わない』
その言葉が突き刺さった。
あんなに人気があって有名人の彼が、私にそんな言葉を言うなんて・・・。
ちょっとだけ心が揺らいだ。
そしてちょっとだけ意地悪なことをしたいと思った。
「じゃあ、マネージャーにも友達にも話聞くよ?」
「うん。もちろん。」
「お父さんとお母さんにも会ってるんだから、お父さんとお母さんに今回のこと話すよ?」
「うん。構わないよ。両親には優と結婚するって話してるし、俺がどんなに優のこと好きか知ってるから。全部話してくれて構わないよ。」
「私フラッシュバックして当たり散らすと思うよ?」
「うん。殴られても蹴られても、一緒に居られるんならなんでもしていいよ全部受け止める。」
私はもっともっと意地悪をしたくなった。
「私今気になる人がいるんだ。その人と遊んでもいい?」
これはJのことだ。
気になるっていうのは、男性としてではない。けど、Kがどこまで本気で私のことが好きなのか試す意味で男の存在を匂わせた。
これにはKも一瞬、「え・・・?」と言って固まった。
「どういうこと?」
「Kと離れてる間に友達と遊びに行く約束して、二人だと思ったらその子が男の人連れてきて、それから仲良くしてるの。」
「・・・そっか・・・」
しばらく沈黙の時間が続いた。